都心から少し離れた住宅街にある3階建てのビル物件、こちらのオーナーであるお客様は雨漏りと建物の傷みにより、タイル補修・シーリング工事・外壁塗装などの大改修工事をご決断されました。
今回はこちらの工事の続きをご紹介していきます。
関連記事 3階建てタイル外壁の大改修の様子②
複数の工事内容をスムーズに解決
雨漏りを止めるため、問題の箇所の防水工事を行いました。
バルコニーと屋上に、ウレタン塗膜防水を採用し、屋上については脱気筒を新設したSUS製脱気筒仕様としました。
こちらの写真は防水班が施工前の現調をしている様子を写したものです。
現調を行うのは、営業担当だけではなく、工事に携わる職人(足場班や塗装班、防水班など)が実際に現場を見て、工事に必要な建物の状態を確認します。
その後見積担当と入念な打ち合わせを経て、工事をさせていただきます。
塗装職人では、建物の部位に対しそれぞれの専門職人が工事を行うため、職人同士がスムーズに工事を進行するためにも、見積担当は特に現場の状態についてよく知っておく必要があります。
例えばこちらの写真ですが、これは屋上に設置されていた天窓に、新たに木枠を取り付けるための大工作業の様子です。
もちろん大工工事ですから、これには大工職人が担当するのですが、天窓に取り付けるところまで大工職人が行うため、天窓のシーリング工事をしている防水職人との作業日程調整がスムーズな工事のポイントとなります。
職人から次の職人へとリレー形式でうまくバトンタッチするために、営業担当は職人の進歩状況の確認を細やかに行い、伝達していきます。
改修工事には決まったマニュアルが存在しないため、建物の状態や状況に合わせた施工方法なども重要になってきます。
通常は高圧洗浄が先だけれど、施工内容によっては高圧洗浄が後になる現場もあります。ネットなどで塗装工事の工程をお調べになられる方もいらっしゃると思いますが、決まった工程が必ずしも塗装工事全てに当てはまるという訳ではないことをご承知いただけると幸いです。
見積担当と職人のスケジューリング調整をしていたものの、天候によって止む無く工程が延びてしまう・・ということが起こってしまう場合も避けられません。
しかし、天候でズレが生じたとしても、現場で培った知恵を活かし柔軟に対応して、最善の工事へと繋げていきます。
関連記事 段取りの多い塗装工事 スケジュール調整の裏側とは
雨漏りが再度発生!?
お客様宅のビルの雨漏りも止まり大改修工事は無事に終わり、お客様は大変ご満足されていたのですが、完工から数か月後『雨漏りが止まらず困っています。一度見に来て欲しい』とお客様からご連絡をいただきました。
内容と合わせて写真が添付されていました。こちらがその時の写真です。
早速お客様宅をご訪問させていただき、お話をお伺いいたしました。
問題の雨漏りは、二階の室内と室外どちらにも雨漏りしているとのことでした。まずは、前回の施工箇所を隈なく検査をします。
しかし、これと言って施工箇所の不具合とは結び付きませんでした。
雨漏り箇所を触ると、ジュクジュクした感触で、室内から室内へ、さらには室内から室外へと雨漏りしていてどうもおかしい・・と思い三階に住まれるご長男へお話を聞くことにしました。
菊池がお伺いした際に、ご長男はお留守でしたので、代わりに奥様がご対応してくださいました。
二階で雨漏りが発生しているため、検査に来たことを伝え雨漏りは室内から室外へ発生していることをお伝えしたところ、三階の部屋では温水式床暖房を使用していることが分かりました。
床下で温水が流れ続けることで部屋全体が温まる仕組みになっていますが、お湯を循環している中の配管が何らかの理由によって不具合が発生してしまい、それが原因となって雨漏りしている可能性が高かったのです。
そうしたことが判明し、お客様にもご納得いただき、今回の雨漏りの件は床暖房を施工した会社が対応するということになり、収束しました。
合わせて、弊社の部分補修工事の内容について、ご紹介いたしますのでご覧いただけますと幸いです。
関連記事 ベランダ床のひび割れ、雨樋の水漏れなどの部分補修工事について
外からでは気付きにくい雨漏り
雨漏りは外からの見た目だけはわからないことがあります。例をあげてご紹介いたします。
ベランダやバルコニーがある御宅の場合腰壁に手すりが設けられていると思います。実は、建物の中で笠木も雨漏り原因になりやすい箇所なのです。
下の写真を参照していただきたいのですが、笠木のネジの取り付け方が脳天打ちになっていて、ネジ穴が雨水の侵入口となっていたケースです。
さらに、笠木同士の繋ぎ部分も雨水の侵入口になりやすい箇所でもあります。
こちらの現場では、お客様の了承を得て腰壁サイディングを一枚だけ剥がし中を確認し、根本的に水の侵入箇所を補修するというご提案をさせていただきました。
中を確認したところ、幸い軒天や家の内部には侵入しておりませんでしたが、ベランダ内の木部は腐食でボロボロの状態になってしまっていました。
この後こちらの現場では、追加工事にはなってしまいましたが、雨水の侵入口と腐食箇所をしっかりと補修し、お客様もとてもご安心してくださいました。
関連動画 腰壁サイディングの貼り替え
関連記事 バルコニーの雨漏り工事を行うための段取りとは 先行足場の解体
他の現場では、ご自宅の駐車場部分のシャッター周りにある木部が腐食してしまったケースもありました。
この雨漏りは増改築を行った個所だったそうです。お客様も気付かずに35年過ごされて、弊社の改修工事で知る事となりました。
これまで何も起こらず本当に良かったのですが、大変危険な状態まで腐食が進行していました。
関連記事 気付かぬうちに家を蝕む雨漏り ぐずぐずになった木部の補修工事
雨漏り箇所の一例をあげてご紹介いたしましたが、先ほどの現場はどちらも外から見ただけではわからない場合で雨漏りが発生していました。
建物は構造が複雑なため、今回のお客様宅のように突然何かの拍子に、工事箇所とは別のところから雨漏りすることもあります。
(温水式床暖房は限定された状況だと思いますので、今回のような雨漏りは稀ではあります)
これまで菊池が見てきた見積り現場を総合的に考えても、雨漏りはだいたいが見えないところで進行しているケースが多いです。
塗装工事を始めてから雨漏りに気付き、追加工事になるということもよくある話です。そのくらい雨漏りは身近で起こり、気付かないところで進行しています。
だからこそ他人事とは思わず、定期的な検査で予防をしていくことをおすすめしております。
弊社では無料見積で(一部の建物においては有料とさせていただいております)お住まいに必要な工事内容をご提案させていただきます。
工事を無理強いするようなことも一切ございません。弊社はお客様とお住まいにとってベストな工事をご提供することを目的としておりますから、何かお困りごとや気になることがありましたら、お気軽にご相談いただければと思います。