トタン屋根の最大の難点はさびです。塗料選びも大事ですがさび落としが重要です。一級塗装技能士が下地調整から丁寧に作業しています。
- 瓦棒トタン屋根の塗装
- 波板トタン屋根の塗装
屋根トタンの種類
大きく分けて瓦棒トタンと波トタンです。波トタンはほぼ見かけなくなりましたが、瓦棒トタン屋根は時々まだ塗装させて頂くことがあります。
瓦棒トタン
一定間隔に心木が設置されている屋根です。心木の部分は刷毛で塗装し、その他の多くの平場部分はローラーで塗装をします。

瓦棒屋根のローラー塗装
波トタン
波トタンは波型になっているためローラー塗装がしにくく刷毛による作業が大部分になります。昔は寸胴刷毛で塗ったりもしましたがローラーで塗料を配って刷毛で均すという塗装方法もあります。

波トタン屋根の塗装
平板トタン
屋根とは違いますが、ひさしなどにもトタンが使われています。

付帯部トタンの塗装
劣化と補修
主な劣化はさびです。ひどい場合はさびが進行して穴が開いてしまう場合もあります。下地などの劣化を部分的に補修することも可能です。穴などが確認できなければ高圧洗浄をして汚れやほこり等を除去します。
さび
さびはケレン道具でよく研磨して下地調整をしてからエポキシ系の防錆塗料を下塗りします。
- トタン屋根のさびの発生
- さびをマジックロンなどの道具でケレン研磨
- 波板トタンのさびと塗膜の浮き
- 波の凸凹に沿ってさびを除去する
腐食による穴
厚み的にトタンは溶接できません。軒先など末端部の場合は部分補修できる場合があります。
- 心木(桟木)部分の穴
- 雨樋にたまった雨水が滞りやすく腐食しやすい軒先の唐草
釘の補強
抜けかかっている釘などは打ち直しします。
塗膜剥離
亜鉛引きのトタンの場合、何度塗装をしてもはがれてしまうという場合もあります。しっかりとした下地調整と特殊なプライマーで処理します。

塗膜の浮きはカワスキ等でしっかりはがして除去する
- 亜鉛引きトタンの塗膜の浮き
- ごみ袋に入った除去された塗膜片
チョーキング
色褪せはチョーキングもしています。研磨道具でしっかり研磨します。

チョーキングのは密着不良を起こしやすいためしっかり下地調整をする
さび止め
トタン屋根塗装は3回塗りです。一番最初に塗るさび止めはエポキシ系の防錆力の強い塗料で下塗りします。
- 1液タイプのザビ止め塗料
- 密着性に優れる2液タイプのさび止めプライマー
- 心木や棟など細かい場所を刷毛で塗装後ローラーで塗っていく
- ベランダ下の下屋根は床を外して塗装
塗料の種類
トタン屋根も遮熱や断熱性能を持った塗料が塗れます。フッ素塗料以外は価格的に大きな差はないため、シリコン系の遮熱塗装がお勧めです。
一般塗装
アクリル、ウレタン、シリコン、ラジカル制御型、フッ素までさまざまな塗料を使用できます。
- 鉛やクロム顔料を使用しない環境にも配慮したファインルーフⅡ
- トタン用屋根は光沢がある
遮熱塗装
真夏のトタン屋根の表面は太陽光を浴びてとても熱くなります。遮熱塗料を塗れば屋根表面温度は劇的に熱くなくなります。室内にそのまま反映されるということではないですが、一般塗料で塗った時よりも快適になります。
亜鉛引き等で塗膜剥離の可能性がある場合は、洗浄後の一番最初の塗装で密着プライマー等で処理をする場合があります。
- 遮熱専用プライマー(サーモアイプライマー等)下塗り
- 遮熱塗料中塗り
- 遮熱塗料上塗り
- 屋根遮熱塗装の完了①
- 屋根遮熱塗装の完了②
断熱塗装
断熱塗装は水性塗料です。トタンは鉄板なので原則水性は本来好ましくないですが、下塗りがしっかり塗れていれば問題ありません。

断熱塗装は5回~6回の重ね塗り
- キルコートやガイナなどの塗料がある
- 一般塗料よりは光沢が劣るものの夏の暑い室内を軽減させる
一級塗装技能士による施工
トタン屋根は築年数が経過した家の場合が多いので、さびの除去などの下地処理が重要です。他の塗装に比べて手間が掛かることも少なくないため丁寧な作業が必要となります。塗装職人では一級塗装技能士の中でもさらに選び抜かれた職人が施工させて頂きます。