世田谷区の鉄骨階段と荒川区の笠木から見る鉄部塗装工事の重要性

今回は、鉄骨階段の塗装をはじめとする鉄部の塗装工事についてお話しします。

鉄骨階段


鉄部は、外壁の塗装とは異なり、5年に1度の塗装工事が必要です。
特に鉄製の階段やバルコニーは、錆による劣化が進むと崩落の危険があり、命に関わる事故
につながります。

実際に、2021年4月に八王子市で鉄階段の崩落事故が発生し、女性1名が亡くなりました。
このような事故を防ぐため、プロによる鉄部の塗装工事の重要性をご紹介します。

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目次

アパートの鉄階段の塗装と水たまり

鉄骨階段 水たまり

世田谷区にあるアパートの鉄階段の事例です。
完工検査後に雨が降り、階段に水が溜まることが発覚しました。
施主様は事前に気づいておらず…現場調査時や工事中に雨が降らなかったため、完工後まで
問題が発覚しなかったのです。

鉄階段にはすでに防水塗装が施されていましたが、水が溜まる状況が確認されたため、急遽
追加工事を行うことに。
工事が完了した後ではありましたが、水がたまることに気が付いたのは幸いでした。
鉄部を長期間水に浸すと、錆の原因となります。

もしご自宅の鉄階段や鉄部に水が溜まる箇所がある場合、早急に対処がおすすめです。
雨が降ってから1週間以上水が残る場合や、苔が生えている場合は、速やかに工事を行う必
要があります。

事前に水が溜まることが分かれば、床面に傾斜をつけるなどの対策が可能です。
塗装工事を依頼する際、水が溜まる箇所がある場合は、必ず業者に伝えましょう。

鉄部の防水処理を行っても、水が溜まると防水効果が弱まります。

鉄骨階段 穴あけ

世田谷のアパートでは、階段の踏み板下の地面に水が溜まっていたため、水抜き穴をドリル
で開け、水を逃がすようにしました。

鉄骨階段 補修

穴を開けた部分の鉄の素地には、錆止め、中塗り、上塗りを施し防水剤で仕上げています。
鉄階段は暴風雨などで濡れる場合が多く、常に水にさらされる可能性がある箇所です。
鉄部を保護するため、鉄階段や鉄骨階段の水たまりには十分注意し、工事の際は必ず業者に
相談してください。

以下のような状況は、鉄部に水が溜まっているサインです。
● 1週間経っても水が残っている
● 水で滑りやすい状態になっている
● 階段部分が日陰で苔が生えている
ご自宅でこれらの兆候がないか、日常的な確認をおすすめします。

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雨によるフェンスの劣化

次に、横須賀市のフェンス撤去工事の事例をご紹介します。

劣化したフェンス

足場を建てる際、塗装の障害となるフェンスを取り外しましたが、このフェンスはすでにグラグラで歪んでいました。

鉄部の腐食が進み、フェンスの重みを支えきれなくなっていたのです。
当初、施主様はフェンスの現場復帰を希望していましたが、劣化の程度を確認し、今回は撤
去を決定しました。

フェンス撤去

グラグラの箇所は簡単に撤去できましたが、ボルトやフェンスとブロック塀の接続プレート
が抜けない部分も。無理にプレートを引き抜くとブロックを破壊する恐れがあるため、抜けない箇所はフェンスをカットし、プレートを残しました。

フェンス撤去

残したプレートには、錆止めを含む3回塗りを行い、さらなる錆や劣化を防ぎます。
プレートはフェンスを支える役割を終えているため、塗装せずに放置も可能ですが、錆が進
行すると周辺に錆汁が広がったり、ブロック内部の鉄部にまで錆が及んだり、爆裂(コンク
リートの破裂)を引き起こす可能性があります。

このような二次被害を防ぐため、鉄部の適切な後処理が重要です。
また、簡単に撤去できた箇所では、ブロックにひび割れが見つかりましたので、ひび割れ補
修工事を行い、フェンスの撤去工事を完了しました。

鉄製笠木のカバー工法

こちらは、荒川区のビルの塔屋にある鉄製の笠木です。

劣化した笠木


長期間放置された結果、笠木が錆び、壁に錆汁が流れていました。
このビルは補修塗装工事をしましたが、費用の関係で足場を建てられない制約があり、さま
ざまな工夫が必要だった現場です。
今回は、足場がなくてもできる工事として、新しい鉄製笠木で覆うカバー工法を採用しまし
た。

笠木 カバー工法

錆びた部分を覆い防水塗装を施すことで、雨水が錆びた鉄部に触れるのを防ぎ、錆の進行を
抑制します。予算の制約がある中での工事でしたが、最善の方法で鉄部の腐食に対応した現
場事例です。

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鉄製ベランダの塗装工事

こちらは、横浜市保土ケ谷区のアパートで依頼された鉄部塗装工事です。

鉄製のベランダ


2階のベランダが鉄製で、分解して全体を塗装してほしいという施主様のご依頼でした。
このベランダはCチャンネル(コの字型の鉄柱)で構成されており、分解せずに塗装するこ
とも可能ですが、窪みやボルト部分など細かな箇所が塗りにくくなります。
そのため、施主様の希望で分解することになったのです。

鉄製のベランダ 補修

分解した結果、錆により鉄が薄くなっている部分が見つかり、溶接で鉄製の補強板を溶かし
付け、補修を行いました。

鉄製のベランダ 溶接

溶接工事は、鋼鉄を専門とする鍛冶屋(と呼ばれる)職人が担当します。なお、ベランダの
取り外しも鍛冶屋の仕事です。

塗装は塗装職人が行い、錆止め、中塗り、上塗りの3回塗りで仕上げました。

鉄製のベランダ 塗装

Cチャンネルの溝など細かな部分には、専用の小さなローラーを使用し、塗り残しがないよ
うに塗装します。このような細部への配慮が、プロの塗装工事の特徴です。

溶接作業では火花が発生するため、高所での作業では火花の飛散範囲に特に注意します。
火花が車などに落ちると大きな問題になるため、養生の徹底が必須です。
この工事では通常のベランダ塗装よりも費用や時間がかかりましたが、細部まで丁寧に塗装
したことで、通常よりも長持ちする仕上がりになりました。

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鉄階段や鉄部の塗装は小まめにすることが事故を避ける秘訣

鉄部は、メンテナンスを怠ると劣化が急速に進みます。
しかし、鉄部の塗装は外壁塗装よりも手間と費用がかかるため、後回しにされがちなのも現
実です。
だからこそ、塗装職人では鉄部の現状とメンテナンスの必要性をお伝えしたいと思っていま
す。

鉄階段 塗装後


鉄階段の塗装の保証期間は通常1〜2年。元の状態が悪い場合は保証が付かない場合もある
ほど、鉄部は劣化しやすい箇所なのです。
塗装職人では、5年ごとの鉄部塗り直しをおすすめしています。

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全体の塗装工事が難しい場合は、部分的な補修でも(やり方次第ではありますが)効果はあ
ります。

水が溜まりやすくなった、錆汁が見られるなど、鉄部に異変がある場合は、信頼できる業者
に相談してください。
塗装職人では、東京都内や横浜、川崎、神奈川県のお客様からのご相談をいつでも承
ります。大事故を未然に防ぐため、ぜひ定期的なメンテナンスを行ってください。

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