外壁塗装の工事が近所で始まると、「自分の車に塗料が飛んでこないかな…」と心配になる方も多いかもしれません。実際に、塗装作業の最中や養生をはがすタイミングなどで、隣接する車に塗料や塗膜片が付着してしまうことは、まったくのゼロではありません。
今回は、塗装職人の現場目線でなぜ車に塗料がついてしまうのか、その原因と考えられるケース、そしてもしそうなってしまったときにどのように対応すればよいかを、実体験を交えながらわかりやすくまとめています。
身近なトラブルだからこそ、事前に知っておくと安心できるポイントを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
飛散の原因は「塗料」だけじゃない
まず気になるのが「塗料ってそんなに簡単に飛ぶの?」という疑問。実際のところ、一般的な戸建ての塗装工事で使われる塗料が、風に乗って車まで飛んでべったり付着するというケースは、そう頻繁には起きません。
ただし、注意が必要なのは塗料そのものよりも塗膜片(とまくへん)と呼ばれる、古い塗装の剥がれカスや、養生ビニールに付いていた乾いた塗料などです。これらは、スクレーパー(ヘラのような道具)で旧塗膜をはがしているときや、養生を撤去した際に風にあおられて飛んでいくことがあります。
実際、外壁塗装の終盤で養生をはがしていたときに、隣の車に塗膜片が飛んで付着していた、ということがありました。現場では「風の強い日は特に注意しよう」と話していたのを思い出します。



「少しなら我慢するべき?」という迷いについて
「これくらいの付着なら仕方ないかも…」と思う方もいるかもしれません。ただ、塗装の飛散物が他人の財産に影響を与えてしまうのは、やはり防ぐべきことです。
車に塗料が付着してしまった場合、時間が経つと落としにくくなり、最悪の場合は再塗装が必要になることも。遠慮せず、気になった時点で早めに関係者へ相談しておくことが、結果的にお互いのためにもなります。
外壁塗装は近隣との信頼関係の上に成り立つ工事。万が一のことがあったとしても、落ち着いて状況を整理し、丁寧に話を進めていけば、大きなトラブルにはなりにくいものです。気になることがあれば、無理に我慢せず、一つひとつ確認していくようにしましょう。

自分で落とそうとする前に
車に付いたものが乾いていて、「ペラっとはがれる」「ガリガリしないと取れない」といった状態なら、なおさら自分で落とそうとはせず、専門業者や業者側の指示を待った方が安心です。下手にこすってしまうと、ボディやガラスに細かい傷がつくこともあるので注意が必要です。
塗装業者によっては、状況を確認のうえで対応してくれるところも少なくありません。正直なところ、職人の立場から見ても「うちが原因かもしれないな」と思えば、誠意を持って対応するケースがほとんどです。

まとめ
車への塗料や塗膜片の付着は、工事中の風の強さや作業内容によって起きることがあります。決して「ありえない話」ではありません。
ただ、放置してしまうと落としにくくなったり、工事が進んで確認しづらくなったりすることもありますので、気づいた時点で早めに関係先に相談するのがトラブルを大きくしないコツです。
万が一のときでも、お互いに事情を伝え合って、穏やかに対応していけると安心ですね。