今回は鉄部の補修工事と鉄部の塗装をさせていただいたお客様宅のお話をさせていただきたいと思います。
『家の二階部分を支えている鉄骨の基礎部分が錆びて脆くなっていて、家がつぶれてしまうのではないか不安なので直してほしい』というご依頼を弊社までいただき見積担当菊池は現場へお伺いいたしました。
実際に問題の鉄部を拝見したところ、錆の進行はかなり進んでいる状態で鉄部だけではなく鉄部を支えている基礎も脆くなっていたためまずは原因を調べました。
お客様宅の鉄部で支えている二階部分は台所になっていたため、もしかしたら二階の水が鉄骨にきているのではないかということを鉄骨の職人とも現場を見ながら話しました。
しかし、図面や現場を詳細に見たのですが漏水の可能性は低かったのです。
こちらはお客様宅の鉄部の写真ですが、見ての通り鉄部は腐食してしまい基礎も脆さが見受けられました。
鉄部に錆が発生したら、できるだけ早く塗装をするのが理想的ではあります。なぜなら錆は鉄と空気中の酸素が反応して発生するものなので放置をしているとどんどん進行していくからです。
初期段階で塗装をすることで錆びの進行が抑えられ、鉄部を長持ちさせることが望めます。
また塗膜は紫外線や雨などの外的環境から鉄を守る効果が期待できるので鉄部の耐久性を向上させることにも繋がりますので大がかりな工事と費用が掛かる前にメンテナンスをしておけば総合的に最小限に抑えられるということです。
※しかし、鉄は一度錆びてしまうと塗装をしても残念ながらまた錆が発生する可能性はありますので定期的なメンテナンスをお勧めいたします。
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今回のお客様宅のようなご相談内容で塗装だけでは対応しきれない現場であっても、塗装職人では様々なプロの職人を揃えているため喜んでご対応させていただきます。
工事ポイントは、錆に対して正しい処理を行うということです。まずは既存の鉄骨部分と基礎を撤去する作業から始まりました。
基礎を取り除くために専用の機械でコンクリートを撤去していきます。コンクリートを削ったり、壊したり、穴を開けたりといった作業をするため騒音・振動・粉塵など周囲への影響を最大限にとどめることが求められます。
補強作業
鉄に穴が開いてしまうほど腐食が進行してしまっては塗装をしたとしても再度錆が発生する可能性が非常に高いので、こうなってしまうと塗装ではどうしようもできません。これを修理、補修するのが鉄骨工事です。
補強には溶接作業をします。腐食した部分を出来るだけ取り除き、その欠けた部分を補うように新しい鉄をあてがって溶接して補強します。
高温のアークや火花が飛散する金属片などの危険が伴うため周囲の安全を確認しながら作業をしていきます。
掘り下げたところに新たに基礎を作ります。
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鉄部塗装
補強作業のあとは塗装をしていくのですが鉄部は他の外壁などに比べて傷み方が違います。鉄部塗装でまず大事な工程は下地処理になります。
下地処理とはサビ落としのことですが、職人が手作業で行う場合とグラインダーという機械を使う場合があります。
どちらも錆びの箇所に対して丁寧にやすりをかけたり、機械を当てなければならないため時間も手間もかかる労力のいる作業となります。
しかし、この下地処理を怠ってしまうと塗膜が剥がれやすくなったり塗装の耐久性が低下してしまう恐れがあるため丁寧に作業をしていきます。
下地処理のあとは、下塗り→中塗り→上塗りの三工程で塗料を塗布していきます。下塗りには錆止め塗料をしっかり丁寧に塗っていきます。
ここで鉄部塗装の作業をわかりやすくまとめた動画をご紹介いたします。
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状態に応じて最適な工事のご提案
家屋や建物はそれぞれに使用材料も立地環境も違い同じものというのは一つもありません。例えば、人の体でしたら何か違和感があった場合にその状態に応じた科を受診して検査してもらい治療をすると思いますが、家屋や建物であっても同じように状態に合わせた処置が必要であると考えていただけるとわかりやすいのかも知れません。
同じ時期に似たような状況の中建てられた家であっても、それぞれに劣化の状態は違いますから工事の内容も変わります。
今と未来を考えたうえでの最適な工事をすることが素材そのものを丈夫な状態で長く保てることにも繋がっていきます。
さらに、家屋や建物も10年~15年ほど経った頃では家族構成やご近隣の環境に変化があり手の加えるところが変わってきたり、別の問題が出てくる可能性もゼロではないと思います。
塗装職人は、塗装と合わせての部分的な工事や雨漏り、シロアリ駆除、改修工事など様々な家のトラブルや補修にもご対応をさせていただいております。
なぜ塗装の会社なのにそこまでの工事が出来るのかというのは、一級塗装技能士の職人だけではなく防水・シーリング・大工・シロアリそれぞれプロの職人を揃えているからこそ実現できることなのです。
疑問やお困りごとがございましたら、いつでもお気軽に塗装職人へご相談ください。小さなことでも誠心誠意ご対応させていただきたいと思います。