屋根の傷みを指摘しながら突然やってくる業者、7つの対応術

家の状態が悪くなってくると、塗装業者へ連絡しなければならなくなるという状況はいくつもあります。

例えばカビや汚れ、ひび割れなど劣化症状というのは素人目にでも見た目にわかるので、今の家の状態が手を入れなければならないかどうかという質問も含めて見積もり依頼や相談をする状況です。

実は家の状態が悪いと見た目にわからないにも関わらず、突然業者に連絡しなければならなくなるということがあります。

それは訪問販売業者に外壁や屋根を指摘された時です。

一般的に訪問販売業者を若干怪しいと思いながらも、その一方でプロだと思っている人も少なくないです。

中には実務経験があり技術的に詳しい人もいるとは思いますがそのような訪問販売業者は極々わずかでしょう。

ほぼいないというように考えておいた方が無難です。

下の動画は以前外壁と屋根の塗装をした方からのご相談を受けて調査させて頂いた時の様子です。

業者選定をする場合は許可、資格などは重要な要素ですが、資格を語りながらもいかに技術面において劣っている工事をしている様子がわかると思います。

それでも怪しいながら傷みを指摘されてしまうと不安にもなってくるものです。

そこで事実かどうか確認するためにほかの塗装業者に相談するということになります。

実はうちのお客様においても最近それと同じようなことが起こりました。

そのお客様は3年前に塗装と屋根工事の施工をさせて頂いたお客様です。

ことの経緯は突然近くで工事をしているという業者が訪問してきて、屋根がはがれかけているという指摘をされたということでした。

訪問販売は怪しがられるということを業者自身悟っているため信用してもらうために必死で色々なことを言うものです。

実際には近所で工事をしていなくとも「近くで工事をしている業者です」と言って信用させようとしたりしてきます。

近所で工事をしているならば怪しまれないと思っているからですがこれはもうよく使う常套手段です。

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今回のお客様はご高齢の一人住まいのお客様です。

指摘された場所は屋根のため高くて見えない場所ということもあり、その業者の言葉を鵜呑みにしたままうちに連絡をしてくれたということでした。

実は連絡を頂いたときにピンときたものがありました。

経験上訪問してきた業者というだけで決して良いことではないはということが想像できてしまうからです。

特に訪問営業は見積もりや契約を取ることに必死であることないことを言います。

勤めたりやめたり会社を転々とする場合が多い訪問営業員にとって工事品質などは本来どうでもよく見積もりや契約を取ることに必死です。

そのためしなくても良い処置を進めたり至急に処置をしなければ雨漏りしてしまうなど極めてオーバーに事を口走ったりします。

傷みの指摘だけではなく「モデルになってくれれば安くなる」「近くで工事しているので足場代が無料になる」などのキャンペーン系も実際には根拠がない営業文句がほとんどです。

いずれにしても今の家の状態を良い方向に導いてくれるということはないと思った方が賢明です。

ただやはりそうはいっても指摘されたお客様からすれば不安です。事実を伝えてきているかもしれないからです。

うちで工事をさせて頂いたお客様の場合、訪問してくる業者の言うことが本当か事実ということに関わらず、たとえ工事完成直後だったとしても調査しにいかないわけには行きません。

その一方でその情報だけでは動きづらいのも確かです。今まで同じことが何度もあり実際に調査しに伺ってみると何ともなかったことが少なくないからです。

そのため連絡を頂いた際に電話口で”本当に近くで工事している業者かどうか”ということの確認を取るようにしています。

これはうちのお客様だけでなく、同じ状況で不安になってしまったはじめてうちに相談されてくる方にも必ず聞くことです。

本当に近くで工事している業者が訪問してきた場合、伝えてきた内容の信用性は高いですが、そうでない業者の場合は嘘や誇張が多くなります。

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そして近くで工事している業者に間違いないというお客様の答えを元にもと実際に伺ってみることに。

念のため当時施工をした職人と2人でお伺いさせて頂いたのですが結果は異状なし。

せっかくなので施工部分の掃除だけして帰ってきたとのこと。

よくよくお話を伺ってみると近くで工事していると完全に訪販業者の言っていることをそのまま鵜呑みにしてしまったということでした。

このような業者は実は訪問販売だけではなく「外壁塗装の勉強会」と称するセミナーを開催する塗装業者でも行われることがあり、大事な劣化でなくとも傷みを誇張して見積りにつなげるような営業手法を使ったりすることがあります。

ただ実態の知れない訪問販売業者のほうがより悪質です。

当然ですが調査に行くためには時間と手間を要します。特にうちのお客様の場合は、他の予定を移動してでも早急にいかなければなりません。

今回も強いお客様のご要望で連絡を頂いた翌日に調査にお伺いさせて頂きました。ご高齢の一人住まいで事実確認をするというすべもなく業者の話術もあってその時は完全にうちの施工に欠陥があったと思いこんでいたようでした。

本来なら事実とは全く違うことを伝えた業者に調査費用の賠償をしてもらう必要が出てきます。これは業者の技術的知識不足からくる間違いというレベルではなく事実とは全く違うということを意図的に伝えたので偽計業務妨害の可能性があります。

実際に過去のケースではお客様が記憶していた制服の名称から業者を特定し調査費用を請求したこともありました。

これはうちだけの問題だけではな工事数が多く真面目に工事をしている業者さんなら経験していることと思いますし、お客様である消費者側も気まずくなります。

今回も思い込んでしまったことに対しかなり気にされていたようでした。

ただ今回はうちに連絡してきたことでやらなくてもいい工事をせずに済んだ一方で、もしその業者に工事を頼んでいたとしたら大きな損害です。

しかもまだ工事品質が良ければいいのですが、塗装業界は価格的にぼったくりがまかり通る業界でもあります。

塗料メーカーと同じグレードの塗料をOEM製品という切り口にしてとても高額な値段をつけて工事するということが普通にあります。

同様に訪問販売も営業員自身の歩合が大きく関わってくるのでそこに重点を置いているといっても過言ではないです。

できるだけ高額な金額で工事契約をしようとするため販売手法も詳しくなりたいところです。

突発的に訪問してくる業者への対応としては、そもそも聞く耳を持たないということもひとつですが、本当のことを言っているとしたらという可能性も捨てきれません。

なので繰り返しますが、訪問販売の場合は近くで工事しているというトークは定石なので、まずはすぐにすべてを鵜呑みにするのではなく、それが本当のことなのかどうかということを確認する必要があります。

そのためにも本来は家の構造に対して少しは質問できるぐらいのレベルにしておいたほうが、業者からの無理な説得にもつながらない可能性が高くなるのではないかと思います。

指摘されて混乱しないためにも名刺や身元が分かるような情報を聞いておくことも、後々何かあったときに振り返りができて何かと安心材料になります。

今回のように前回施工をした業者などに連絡をする場合においても、少しでも業者の情報を知ったうえで連絡するのがもしかしたら礼儀と言えるかもしれません。

高齢者は狙われやすいです。特に一人住まいの場合は、必ず家族に相談した上でからでなければ話をしない、家族からも日ごろから注意するように伝えておくことが肝心です。

中には警戒心が強く用心深いという意識をもつ高齢者の方もちらほらいらっしゃるようですが、業者は簡単にその上を行きます。

まともに話を聞かないのがやはり一番かもしれません。

もしどうしても話を続けたいとか、その業者で工事を希望したいと思えるのなら、契約はおろか見積依頼などの即決は言語道断ですが、一度その会社に足を運んで本当の実態の確認をしてから話を進めるようにします。

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訪問販売業者が指摘する工事場所としては、普段目に見えない屋根が一番多くなります。

それもスレート屋根の家をターゲットにしてくる場合が非常に多くなります。

スレート屋根は欠陥品と言われてしまっているパミールやコロニアルNEOと言われる屋根材で葺いた屋根が少なくありません。

実際には製造の年や個体差もあるようですが、ミルフィーユのようにもろく塗装がしずらいという特徴をとらえて高額になる屋根工事を進めてきたりすることがとても多くなってきています。

見た目にも劣化症状がわかりやすい屋根材です。

中でも棟板金といわれる部分を指摘してくるパターンが多いです。そもそもひび割れを除けばスレート自体はとても腐食しにくい素材なので、一番腐食の時期が早く訪れる棟板金がターゲットにされます。

築10年を過ぎれば釘抜けなどの見た目の劣化症状も出やすく指摘されてしまうと納得してしまう場所でもあるからです。

棟板金はガルバリウムやトタンで覆われているもののその中は貫板と呼ばれる木材なので、いずれは腐食してしまうという技術的に詳しい説明が無くとも簡単に説明できてしまう場所という理由もあります。

訪問販売はそのような場所だとしても家主の知識のないことを手玉に取り、自分の都合がいいようにあることないことを言ってきます。

理解できない部分に対して無理に納得しないためにも、普段から家の屋根の構造を理解しておくというのもとても大事なことです。

こちらの動画は杉並にある屋根工事のスマートショールームです。無人で自由に見学できるので屋根の構造の理解に役立てることができます。

特にターゲットにされやすい築10年前後の家は業者に質問できるぐらいの知識を備えておくことは重要でしょう。

そして本来は棟板金の部分交換だけで用は足りるはずなのですが、足場を組んで作業しなければならないという事情もあり、特に新築からまだメンテナンスをしていない家の場合はどうせならとガルバリウムやジンカリウム鋼板などを使ったカバー工法という、屋根工事としては一番多い工事種類の工法を進められるというわけです。

このカバー工法も金属屋根自体は工場生産の為業者間によっての品質の差はないですが、下地の防水シートの質と貼り方や棟板金に使う貫板が樹脂製のもので施工されているかなどの違いによって、結果的に工事品質に大きな差となることもあります。

いずれも誇張や嘘に近いことを告げられて契約してしまった場合、クーリングオフがベストですがその期間を過ぎてしまい泣く泣く工事をしなければならなくなることもあります。

そして家が高台の下の方にあるというのもターゲットにされやすい特徴です。

高い場所から見られている状況ですが素人からではその高台から見てもあからさまに劣化状況が判別しにくいというのがあるようで、実際に劣化していなくとも無理な説明をされても納得してしまうようなところをついてきます。

まとめますと、、

  1. 業者名や住所など業者の情報をつかんでおく。
  2. 高齢者はまともに話を聞かない。家族に相談してから話をする。
  3. 近くに高台のある家は特に警戒を。
  4. 近所での工事宅の事実確認をする。
  5. キャンペーンの誘惑にも注意。
  6. 屋根構造を把握しておく。
  7. ぼったくりを避けるため販売手法も理解しておく。

時期としては梅雨時期や台風シーズンにこのような業者が増えてくるという傾向があります。

時すでに遅しでこの記事を見てもしかしたらやる必要がなかった工事だったのではないかと思う方もおられるかと思います。

くれぐれも素性が良くわからない業者には注意をするということが何より重要です。

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