外壁のヒビはとても悩ましい問題です。
特にモルタル外壁のヒビは幅が小さいものから広いものまであります。
戸建ての場合はほぼ手作業にてクラック補修をします。
雨漏り原因はクラック以上に他の場所も疑う
幅が広いクラックだからといってすぐに雨漏りするとは限らずまたその逆に幅が小さいからと言って雨漏りしないと言うわけでもありません。
ただ総じて室内に雨染みなどが見られる雨漏りなどの場合は外壁のクラックというよりも屋根廻りやバルコニーの笠木などの部分からの疑いの方が大きいです。
外壁の場合構造的に垂直のため仮にクラックがあったとしても外壁の下地にある防水紙が雨漏りをブロックすると同時に室内に入る前に下から抜けてて行く可能性が強いです。
ただし雨染みが室内に確認ができなくても土台周りや下地の木部などに影響もある可能性もあるので正しいクラック処理をすることがお勧めです。
2パターンのクラック処理の違い
クラックには大きく分けて比較的軽微なひび割れの乾燥クラックや建物の構造的に関連して発生する構造クラックがあります。
乾燥クラックは幅が小さく構造的クラックは比較的幅が大きくなります。
ただいずれもクラック内部の奥深くまでシール(コーキング材)を注入して埋めるやり方が理想的ですが、幅が小さい乾燥クラック(ヘアークラック)などはシール材を奥まで行き届かせることが困難のため肉厚塗装でクラックを防止するという意味でフィラーなどの下塗り塗料や弾性機能を持つ塗料の使用で再発を防止していきます。
また鉄筋コンクリートなどの建物の場合はエポキシ樹脂を使う場合もあります。
当社代表もひび割れ修復の「樹脂接着剤施工技能士」という国家資格を持っていますが、戸建ての場合はエポキシ樹脂を使う場面は少ないです。
シール材注入可能な幅の広いクラックの場合はノンブリードタイプのシール剤を手作業にて注入をし劣化状況によってはスムースエポなどの簡易的な注入器具を使ってひび割れを埋めます。
鉄筋コンクリートの建物の場合は ogs 工法という電動工具を使っての補修方法や U カット方法を用いたりしますが戸建ての補修の場合は手作業や簡易的な器具で十分なクラック対応の塗装ができます。
ひび割れの補修跡を目立たなくするために
クラックの幅が大きいほど塗装をしたとしても補修跡が目立つ可能性が大きくなります。
外壁模様がフラットに仕上げられているタイル吹き模様などの外壁種類の場合は比較的クラック跡が目立ちにくくすることか可能なのですが、リシンやスタッコなどは模様的に凹凸があるのに対しクラックで埋める部分は平滑になるため補修跡を目立たなくするためにはある程度の技術も必要です。
塗装職人では現場の状況によって砂骨ローラーでの塗装やコンプレッサーなどで骨材を吹きつけるなどして模様をぼかしながら補修跡を目立たなくする方法をとります。
乾燥クラックなどのように幅の狭いクラックなどはフィラーを使えば一般的なウーローラーで刷り込ませるように処理ができるため跡も目立たなくできます。
ただし砂骨ローラーなどを使用してクラック補修跡を目立たなくする仕上げには、多量の塗料を含ませながら肉厚に塗る必要があるためそれだけ塗料缶数も多く必要になります。
補修跡もクラック幅によっては完全に補修跡を目立たなくすることができるということも言えないため、現地調査で判断をします。