屋根の工事にはいくつか種類があり、その中で代表的なものが屋根塗装、カバー工法、葺替え工事です。
今回は、世田谷区のお客様の実例をもとにカバー工法について説明します。
カバー工法の工程や工事にかかる日数、そしてどのような屋根がカバー工法をすべきかなど。
このブログを読めば、ご自分の家の屋根がカバー工法するべきかどうなのかがわかります。

カバー工法が必要な屋根とはどんな屋根か
カバー工法が必要な屋根とは、簡単に言うと塗装できない状態の屋根です。
多少の屋根の傷み具合であれば、補修工事をして塗装することはできます。
しかし、スレート屋根の大半が割れている場合や、屋根の調査をしようと上を歩いただけで割れるほどもろくなった屋根の場合は、塗装ができません。
塗装職人では、このような状態の屋根はカバー工法をおすすめしています。

また屋根材の中には、劣化の早いものがあるのをご存じでしょうか。
1枚の板だったはずのスレート屋根が、薄くミルフィーユ状に何層にも別れて膨らみ、ちょっとした衝撃で割れてしまう。この症状は、パミールやコロニアルNEOなどの屋根材に多く見られます。

上記の写真は、パミールです。世田谷区のお客様からのご依頼で現場調査しました。
何層にも別れもろくなり、手で触るだけでもポロポロと崩れるほどでした。

パミール以外にも同様の症状がでる屋根材がありますので、詳しく知りたい方は弊社のブログをご覧ください。
塗装職人では、現場調査してこれらの屋根材で割れが確認できた場合、雨漏りのリスクが通常の屋根材よりも上がるため、できるだけ早くカバー工法することをおすすめしています。
設計図などに、屋根材としてパミール、コロニアルNEOなどの商品名が記載されていましたら、一度詳しく屋根上を調べてみてください。
屋根のチェック方法
塗装職人では、現場調査で屋根のチェックする際に、屋根の下の階のベランダからカメラ棒にカメラを取り付け動画撮影します。
こうすることで、普段見られない屋根上をチェックして、工事が必要かどうかを判断できるからです。

撮影した動画は、すぐ確認できますので、現場調査の時にはぜひお客様もいっしょにご覧になってください。
このカメラでのチェックはおおよその確認なので、割れている箇所を全て発見することはできません。
実際の詳しい調査は、足場を組んで高圧洗浄の時に行います。
カバー工法と屋根の葺替え工事の違いとは
実は、屋根材が傷んでいる場合に行える工事は、カバー工法以外にもあります。それは屋根の葺替え工事です。
葺替え工事のメリットは、古い屋根材を一度全て剥がして下ろし、新しい屋根材を貼り込むので、屋根の負担が軽く済みます。
(※ただし葺替え工事は、コンパネを張り込んでから屋根を葺くため、屋根上の重量がカバー工法の半分になるわけではありません。)
デメリットは、廃材と屋根材の上げ下ろしや、廃棄する屋根の処分費用(家庭ゴミではなく、事業ゴミとして処分をするので費用が高くなります)などがかかり、カバー工法よりも費用が高いところです。
カバー工法のメリットは、古い屋根材を補修しその上に防水シートを張り込んで屋根材を重ねるので、廃棄する屋根材がないこと。そして屋根が2重になる分、強度も上がります。また葺替えにくらべると費用を抑えられるのも大きなメリットです。耐用年数も20年〜30年のため、一度の工事で長い間屋根を守ることができます。
カバー工法のデメリットは、元からある屋根材の上にさらに屋根材を重ねますので、屋根上の重量が増えることです。
塗装職人では、カバー工法も葺替えもどちらの工事も施工できます。
お客様のご要望に合わせ工事をさせていただいていますので、家をどんな状態で維持したいかなどをお聞かせください。
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カバー工法の手順と工事日数
それでは、世田谷区で施工した屋根カバー工法をした場合にどのくらい日数がかかるのか、手順を踏まえて説明いたしましょう。
今回の屋根材はアイジー工業のスーパーガルテクトを採用しました。
1日目 足場設置
足場は足場職人により、設置されました。

2日目 屋根の補修工事
屋根の補修工事が必要な場合は工事を行って下地を整え、タスペーサーや雪止め金具などがある場合はすべて取り外します。
今回は板金職人の木川が施工を担当しました。
下地準備の最後は、棟板金の取り外しです。棟板金の中心部である貫板は、取り外した物の再利用はできませんので、取り付ける際に交換となります。貫板は木材以外にも、樹脂製やガルバリウム鋼板などがありますので、屋根の環境や状態に適したものを選ぶと良いでしょう。
その後、既存屋根材の上に防水シートを貼り込みます。

3日目~5日目 屋根の張り込み、仕上げ
防水シートを敷いてネイルガンで止めたら、ケラバ、雨押えなどの取り付けをします。
その後は屋根材を貼り込み、棟板金、タスペーサー、雪止めなども取り付けて仕上げたら完成です。
6日目 高圧洗浄

今回はカバー工法の施工後に高圧洗浄を行いました。
洗浄は塗装の職人によって行われました。
通常は足場設置の直後に行うことが多いです。
外壁は汚れなどを落としますが、屋根の場合は汚れだけではなく苔やカビなども綺麗に落とし、ます。
このあとに外壁、付帯部の塗装工事、バルコニー防水を行いました。
全ての施行が終了したら、完工検査を行います。
足場解体前に家全体をチェックすることで、細部の確認が可能です。この時に不具合が見つかった場合には、補修もしくは再工事しますのでご安心ください。
屋根の広さにもよりますが、塗装職人ではカバー工法は平均5日〜7日ほどで完成します。
工事の合間で雨などが降った場合には、日数が伸びる場合もありますが、熟練の職人が行いますので安心してスケジュールを組むことができるのです。
カバー工法における素朴な疑問
カバー工法をする際に、お客様からこんな質問を頂く時があります。
「屋根材の上にさらに屋根材を張り込んでも重さは大丈夫?」というご質問です。
弊社で取り扱っているスーパーガルテクトなどは、軽量で丈夫な屋根材です。サンプルなどで重さを確認して頂けるので、ご不安な方は実際手に取ってみてください。
関連動画 スーパーガルテクトの施工
カバー工法で屋根の寿命を延ばす
ここまで屋根のカバー工法について、どのような屋根に工事が必要か、工事の工程、日数などご説明致しました。
屋根は家の中で一番紫外線や風雨などの影響を受け、雨漏りにも直結しやすい箇所です。だからこそ、カバー工法でしっかりと屋根を補修する必要があります。
塗装工事のためだけに、足場を建てるのはもったいありません。屋根の状態を見た上で、屋根工事も検討してみください。
以下は施工前と施工後の写真です。

