築年数が10年を超えたマイホーム、そろそろ外壁塗装を検討し始める時期でもあります。
しかしいざ塗装となると、隣家との距離が近くて不安・・そんなお悩みをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
隣家との距離が近い場合、足場設置や塗料の飛散など、トラブルが発生しやすいという課題点があります。
お客様によっては、隣家との関係があまり良好ではないケースもあり、なおさら悩ましく感じる方もいらしゃるかと思います。
今回はそのような状況でも、円滑に工事を進めるための工夫についてや、トラブル回避のためのポイントについてをお伝えさせていただければと思います。
コミュニケーションを密に取る
円滑な工事を実現するために、弊社では工事事前段階でのコミュニケーションを取るように意識しています。
隣家とのトラブルを未然に防ぐためには、事前にしっかりと話し合いを行い、理解を得ることが大切です。
お客様とコミュニケーションを取りながら、何か抱えていらっしゃる不安や疑問点があれば、一つ一つ丁寧に解消していきます。
ご挨拶のタイミングは、工事開始の約1週間前を目安(現場や状況によってはもっと早くから行う場合もございます)に伺うようにしています。
工事期間と時間や、騒音や臭気について、足場設置、解体の際の注意事項などを共有させていただきます。
省スぺースでの足場組み立ての工夫
お客様宅の場合も、お隣との距離が非常に近く、ギリギリ人が通れるほどの幅でしたが、その場合足場資材は単管足場を使用して、省スペースであっても足場設置をすることが出来ます。
お隣とのスペースが50センチ未満でどうしても足場設置が困難な場合には、空中越境(空中でお隣の敷地へ越境)という方法で足場を設置することも。しかしこれにはお隣の許可が必須になります。
足場部材はさまざまな種類のものがあります。これらの部材を組み合わせて使用することで、狭い場所や複雑な形状の建物にも対応することが出来ます。
例えば、壁に沿った足場を組み立てたい場合は、壁付金具を使用したり、狭い角に足場を組み立てたい場合は、コーナー金具を使用したりすることが出来ます。
ここで省スペースで実際に足場設置をしたときの動画がありますので、合わせてご紹介いたします。
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隣家への配慮
無事に足場設置が完了したら、次にメッシュシートを張り付けていきます。
さらに今回お客様宅では、メッシュシートのほかにお隣へ水しぶきや塗料が飛散しないように、両側には保護カバーも付けさせて工事をいたしました。
塗装工事はいつも100パーセント想定通りにいくわけではなく、時にはイレギュラーなことが発生する場面もあるのです。
だからこそ、弊社では出来る限りの予防対策を行い、万が一の時に備えリスクを軽減させるよう努めています。
工事をさせていただくにあたり、こうした事前の配慮が大事になってくるのです。
事前挨拶はあくまでも挨拶であり、肝心なのは工事中にどのような行いをするか・・にかかっています。
隣家との距離が近い御宅の工事をさせていただくとき、私たちも通常より慎重になるため神経を使いますが、お客様からしても大事な御宅の工事のことや、近隣に塗料が飛んでしまうのではないか、騒音や振動で迷惑をかけてしまうのではないか・・など、様々な不安が頭をよぎります。
そうしたお客様の不安や心配事に寄り添い、出来る限りのことをすることが、最後にお客様に喜んでいただける工事へと繋がるということを感じております。
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工事中の行いと完工検査
塗装工事において、単に仕上がりが良いだけでは弊社の理想とする完璧な工事とは言えません。
工事を綺麗に仕上げるのは当然のことですが、一つ一つのプロセスを丁寧に行い、お客様目線になって作業をすることを大事にしています。
例えば、高圧洗浄後というのは、古い汚れなどが排水に流れたあと、細かな埃やゴミなどが現場に残ってしまうことがあります。
家の周辺や玄関付近の埃やゴミは、お客様にとっても目が付きやすく気になる箇所ですから、弊社では作業後にしっかりと清掃するよう心がけています。
高圧洗浄中は、洗浄機に使用する水道の位置関係や、お客様のお車を保護する目的でお客様のお車は事前に移動していただきました。
それ以外の隣接する家の車にも、事前に許可を得て養生カバーをつけさせてもらいました。(お隣の方には工事前挨拶の際に説明をさせていただきました)
また植物においても、大事にされている木や葉が汚れてしまったり、傷がつかないように、安全な位置まで移動をお願いしております。
弊社で移動する際にも、無断で行うということは無く、持ち主の許可を得てから作業をしていきます。
御年配の方や女性の方で、物の移動が困難な場合などには、現場担当の職人が施工前に移動をお手伝いさせていただくことも可能ですから、そうした時にはおっしゃっていただければご対応いたします。
弊社ではお客様やお隣とコミュニケーションを取り、養生が必要なところ(希望されているところ)や移動できるものについては、できる限りの対応を心掛けています。
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足場解体前には、家全体の検査をしていきます。
検査には、見積担当とは別の検査担当が伺わせていただき、契約書と照らし合わせながら、塗り残しや塗料の飛散・補修が必要な個所がないか一つ一つ入念にチェックしていきます。(現場によって見積担当が検査を行う場合もあります)
お客様宅では雨樋、パイプ類、庇上スチール、バルコニー笠木、水切り、車庫内天井などの付帯部や各所シーリングの細かいところを、一階から周り二階を確認後、屋根の順番で行っていきました。(検査者によっては上から下に周ることもあります)
足場解体前検査は、建物以外にもお客様宅の玄関周り、お隣の敷地や道路などが汚れていないかを合わせて確認していきます。
塗装工事は、お客様だけではなく近隣の方々にも協力をいただいているため、現場の周りも含め、不備が無いことをしっかりと確認しておくということを弊社なりのマナーとしています。
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今回の工事では、お隣同士が非常に近いなかでの工事となりましたが、お客様はもちろんですが、隣家の方々のご協力とご理解をいただき、トラブルも無く無事に完工することが出来ました。
隣家との距離が近い場合であっても、事前の準備(工事前挨拶など)や足場設置の工夫により、塗装工事をすることが可能になります。
足場設置から始まり足場解体まで、一つ一つの現場に合わせた対応を心掛け、これからもお客様に喜んでいただける工事の実現に向けて、尽力してまいりたいと思います。
些細なことでも、ご相談いただけましたら一つ一つ丁寧にお答えさせていただきます。