商業ビルを蘇らせる鉄部塗装と階段防水工事①

今回は都内の一等地にある商業ビルの鉄部塗装と階段防水工事のお話をご紹介いたします。

立地状況なども含め全てにおいて作業計画が難しい現場となりました。建物の構造は7階建ての屋上があるビルになります。施工要望をいただいた箇所は1階から7階までの階段塗装と屋上フェンス塗装と階段防水でした。

様々なテナント入居者様のいるビルですので工事中どのようにして対応をさせていただいていたか、工事の内容と合わせてお話をさせていただきます。

目次

作業計画

作業計画とは危険をともなう工事や作業において、あらかじめ現場状況を確認したうえで現場全体の安全を考えた作業方法を検討し施工管理を定めておくことを言います。

作業中も現場の状況が変わることはありますから、状況の変化に即応して適切な判断をすることも作業計画のひとつでありとても重要なことです。

テナント入居者様や利用されている方の出入りの時間帯はバラバラですから入口付近には作業中の共通の注意事項を提示したり、事前のお声がけもさせていただくなどの対応をして安全管理をさせていただきました。

また、工事中であってもテナント入居者様の営業は通常通り行われるため鉄骨階段に関しては長尺シート一択となりました。その理由としては、階段の通行部分を塗装をしてしまうと塗料が乾くまでの間通行の妨げになること、そして塗装の仕上がりにも様々な影響が出てくることを考慮して出来る限りの最適な工事のご提案をさせていただきました。

これは工事内容とは別のお話になりますが、入居者様の私物や洗濯物が共用部に置かれてしまうということがあり工事中は控えていただく必要があるのですがご理解をいただくまでに大変苦労をしました。

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安全な工事に欠かせない足場と現場管理とは

足場は安全に工事を進めていくうえでなくてはならない存在です。しかし、そんな足場も正しく取り扱わないと安全を守るどころか大惨事になる可能性もあるのです。

ビルなどで立てられた足場が強風の影響で倒壊寸前になってしまった様子をニュースで見たことがある方もいらっしゃるかも知れませんが、あれは管理の問題で防ぐことができます。

工事中の建物の周りにはメッシュシートを付けて作業をします。メッシュシートがあるおかげで作業者の転落防止や資材の落下防止、高圧洗浄時の水しぶきや塗料の飛散防止が出来ます。また、メッシュシートはほとんど風を通さないため風の影響を受けやすいのです。

メッシュシートは足場に止められているため、風の影響を受けたメッシュシートの力によって負荷が加わると足場の倒壊への恐れに繋がってしまうのです。

そこで大事な作業がメッシュシートを畳むという強風対策になります。

現場管理者として天候のチェックはもちろん、職人との打ち合わせをこまめに行い安全の確保に努めています。

関連動画 マンション外階段に足場を組む

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鉄部の錆び止め

鉄は一度錆びてしまうと残念ながら元に戻ることはなくそれ以上悪化させないための対応策のみとなってしまいます。錆びの進行が進むと鉄は腐食し、穴が開き補修では収まりきらない状態になり結果的に損失が大きくなることも・・。

そうならないために大切なことは鉄部を水分や酸素から守るということです。鉄部を守る手段の一つとして塗装があります。

鉄部塗装の手順は 1、下地処理 2,錆び止め塗装 3,仕上げ塗装 と大きく三つに分けられます。

鉄部塗装の最も重要な工程でもある下地処理をしっかり行うことで塗膜の密着性が高まり塗装の耐久性が向上します。下地処理の方法は状況に合わせて専用の機械を使ったり、写真のように素手で丁寧に細かく処理をしていくやり方があります。

詳しいやり方に関しては下の動画でご紹介しています。

全体の下地処理を行ったら次は錆び止め塗料を塗っていきます。

錆び止め塗料が下地にしっかり塗布できましたら次は下塗りを塗っていきます。

下塗りの次は中塗り・上塗りを順番に塗っていきます。こちらの塗料はとても鮮やかな緑色をしていますが理由があります。緑色は他の色に比べて視認性が高い色のため錆が発生しやすい場所に塗ることで錆びの早期発見に繋がります。

また緑色の塗料には錆び止め効果のある顔料が含まれていて、顔料により水や酸素を遮断することで錆びの原因となる化学反応を抑制することができます。

錆び止め塗料は緑色以外にも、赤、青、グレーなどの色がありますから立地環境などに合わせて選ぶことが可能ですので、鉄部塗装の際に色で悩まれたらぜひご相談いただければと思います。

関連動画 【鉄部のケレン・下地処理】手順やコツをお伝えします

今回は鉄部塗装のお話をさせていただきましたので、次回のブログでは階段防水のお話をさせていただきたいと思います。

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