屋根塗装

屋根塗装の役割

屋根は外壁と違って張り替えができる場所です。塗装より高額工事になるという理由から、訪問販売の的にもなりやすく近年では塗装にまで迫る勢いでガルバリウム鋼板を使った屋根工事数も増えてきています。

塗装職人・東京店でも屋根工事も盛んに行っていますが、業者視点に偏ることなく塗装で済ませられることができるのかお客様の側に立ってよりよいアドバイスに徹した公平な助言をさせて頂いています。

また塗装の場合、温暖化対策にも貢献できて電気代にも優しい遮熱や断熱塗装のご提案もできます。

ローラーによる屋根塗装

屋根材の確認と診断

屋根塗装を検討する際、まず屋根材の種類を特定することが重要です。スレート、金属、瓦など、それぞれ適した塗料や施工方法が異なります。

  • スレート屋根: 住宅で最も多い屋根材で、コケや藻、カビが発生しやすい。ノンアスベストのスレート屋根には塗装に不向きなものもあります。
    コロニアルやカラーベストとも呼ばれることもありますが、戸建てでは圧倒的に多い種類の屋根材です。ニチハやケイミューなどのメーカーが著名です。アスベスト(石綿)入りのスレートは強度がある一方で、石綿使用禁止の法律が導入されてから製造された人が乗るだけでバキバキと割れてしまうノンアスベストのスレートなどもあります。
  • トタン屋根(ガルバリウム鋼板含む): 太陽熱によって収縮が起こりはがれてしまうトラブルもあるため手作業のケレンが重要になります。昔ほど施工数が減ってきましたが、昔にはなかった遮熱塗料の施工をするようにもなってきました。
    トタン屋根の種類や状況によっても変わりますが、何度塗ってもはがれてしまうという亜鉛トタンもあるので現地調査でよく状況する必要があります。
  • 瓦屋根: 塗装は出来ない屋根で陶器製の屋根です。地震でズレが生じやすいですが、台風の影響は比較的少ないです。屋根カバー工法もできないため、葺き替えが必要となる場合もあります。
  • 折板屋根: アパートや工場に多い屋根で、鉄板が厚く頑丈。W型のため図面からでは正確な平米数の算出も難しいので見積算出にも慎重さが求められます。また分厚い鉄板でありながらボルトも錆びているのでさび落としもポイントになります。
スレート屋根
トタン屋根
折板屋根
ガルバリウム屋根

屋根の状態の確認

屋根塗装の塗料と施工工程

屋根塗装は下地と塗料の密着度が重要です。
塗料メーカーや劣化状況で塗り回数も変わったりしますが基本3回塗りで、高圧洗浄と下塗りのシーラー塗装がポイントになってきます。
コケで下地が隠れて見積りの際に正確な施工の手順が不明な時もあります。
高圧洗浄をしてはじめて適正な塗り方や塗料の選択ができる場合もあります。縁切りはひび割れの原因となるため、スレート重なり部の隙間や強度をみながら施工します。
いずれも一級塗装技能士の施工で仕上げます。

最適な塗料にて施工

塗料は屋根材の種類や求める機能(遮熱・断熱など)に合わせて選びます。塗料性質的には溶剤と水性、一液と2液がありますが、屋根の場合は溶剤がベストで後は遮熱や断熱機能をもった塗料を使うのかどうかでも変わってきます。

1. 下地処理

高圧洗浄でカビやコケ、チョーキングを除去し、塗装の密着性を高めます。チョーキング(塗膜の劣化による白い粉の発生)がひどい場合は、念入りな洗浄が必要です。
また、ひび割れや棟板金の釘浮きがある場合は、補修材で埋める、釘を打ち直す、または棟板金自体を交換するなどの適切な処置を行います。

2. 下塗り

屋根材の種類や劣化状態に応じた下塗り材(シーラー)を使用し、塗料の密着性を高めます。特にスレート屋根の場合、傷み具合に応じて密着性を重視した下塗り材を選ぶことが重要です。

3. 中塗り・上塗り

塗料の性能を最大限に引き出すため、適切な塗布量を守り、中塗り・上塗りを行います。使用する塗料には、シリコン、ラジカル制御型、フッ素などの種類があり、1液型と2液型を使い分けることが推奨されます。
また、断熱塗装を施す場合は、上塗りを複数回重ねることで効果を高めます。

4. 縁切り(スレート屋根の場合)

スレート屋根は、屋根材の重なり部分に隙間がないと雨水が毛細管現象で侵入し、雨漏りの原因となる可能性があります。
縁切りの方法には、縁切りカッターを使用する方法と、タスペーサーという専用部材を挿入する方法があります。ただし、タスペーサー使用時は屋根材にクラックが入る可能性があるため注意が必要です。

屋根の調査

見積もり前に必ず屋根上の調査が必要です。特にスレート屋根の場合は歩くだけですぐ割れてしまうようなノンアスベスト屋根もあるのと傾斜もそれなりにあるため屋根に上っての調査も限られてきます。
塗装職人・東京店では基本カメラ棒やドローンなどでも調査を行っています。

訪問販売業者には慎重に

屋根は外壁よりも高い場所にあり、普段は目にする機会が少ないため、業者の言葉をそのまま信じてしまいがちです。この特性を悪用し、不適切な営業手法を用いる業者もいるため、冷静に判断することが求められます。

たとえば、「無料点検」を口実に屋根に上がり、実際には問題がないにもかかわらず「すぐに修理が必要」と言って契約を迫るケースがあります。中には、わざと破損させたり、釘を抜いたりする業者も報告されています。また、「ひび割れが進行している」「瓦が落ちかけている」などと不安を煽り、すぐに工事をしなければ危険だと思わせる手法もあります。

さらに、「近くで工事をしているので特別に割引できる」と装って訪問するケースや、公民館などでリフォームセミナーを開き、高額な契約へ誘導する「セミナー商法」もあります。

屋根は自分で状態を確認しにくいため、業者の言葉を鵜呑みにするのではなく、複数の業者に見積もりを依頼し、施工内容や金額をしっかり比較することも大切になるかと思います。